これ、読んだ?

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評論・文学研究

『そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)』アガサ・クリスティー 著 VOL.63

こんにちは、スタッフのK・Sです。
今日は『そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)』アガサ・クリスティー 著 を紹介します。



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内容紹介(あらすじ)

さまざまな職業、年齢、経歴の十人がU・N・オーエンと名乗る富豪からインディアン島に招待された。


しかし、肝心の招待主は姿を見せず、客たちが立派な食卓についたとき、どこからともなく客たちの過去の犯罪を告発してゆく声が響いてきた。そして童謡のとおりに、一人また一人と…ミステリの女王の最高傑作。



著者紹介

アガサ・クリスティー。


1890年、イギリスのデヴォン州トーキーに生まれの推理作家。

発表された推理小説の多くは世界的なベストセラーとなり「ミステリーの女王」と呼ばれた。英国推理作家のクラブであるディテクションクラブの第4代会長。メアリ・ウェストマコット (Mary Westmacott) 名義の小説が6作品ある。代表作品は『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』など多数。



感想・書評


推理小説を読まない人でも、タイトルを一度は聞いたことがあると思います、『そして誰もいなくなった』。
アガサ・クリスティーの代表的な作品のひとつです。


作品では、孤島に招待された人がひとりずつ殺されていくなかで、誰が犯人なのか、誰を信じていいのか、わからなくなってきます。招待主の「U・N・オーエン」とは誰なのか、インディアン少年の歌の暗示とは何なのか。


海の孤島、繰り返される殺人、正体不明の「U・N・オーエン」・・・。
これだけでも読んでみたくなる、それがアガサ・クリスティーの小説です。


そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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犯人は誰なのかわからず、小説を3回読み返してみましたがもわかりませんでした。
ページをめくり犯人を知ったときは、「まさか、あの人が犯人とは・・・」


これぞ推理小説、これぞアガサ・クリスティー。
読んでよかった、犯人がわかってよかったと満足度の高いミステリー小説です。


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。   

『聖なる洞窟の地 (下) エイラ 地上の旅人 (16) (ホーム社)』ジーン・アウル・著 VOL.22

こんにちは、スタッフのA・Sです。
今日は「エイラー地上の旅人16 聖なる洞窟の地 下(ホーム社)」ジーン・アウル 著を紹介します。


聖なる洞窟の地 (下) エイラ 地上の旅人 (16) 



内容

時は今から三万年以上前。

神に仕えし者・大ゼランドニから後継者に指名されたエイラは、夫ジョンダラー、娘ジョネイラと暮らしながら、修行に挑む。

世界中を魅了した人類の祖先の物語、待望の完結編!


著者

ジーン・アウル。

1936年生まれのアメリカの小説家。代表作は始原への旅立ち(Earth's Children)シリーズ。


書評・感想
 
高校生のとき、図書館に毎日通っていた私は、同じように図書館の常連の友人と、よく面白かった本の情報を交換していたものですが、この本もその時に友人に勧められたものです。

舞台は約3万年前、クロマニョン人の少女エイラが主人公です。
 
まだ幼い頃、地震で一人ぼっちになってしまったところを、ネアンデルタール人であるケーブ・ベアの一族に拾われ、育てられるところから物語は始まります。

当時は、評論社から翻訳されて出ていたのですが、かなり要約されたものだったらしく、現在あらたにホーム社から発行されたものは、完訳という形になっているようです。

大人になっても、あの本の続きはどうなってるのかなあ・・・と気にしていたのですが、この完訳版が出ることになり、最初の巻から読み直してみました。
 
最初に読んだ評論社版も、ぐいぐい惹きつけられてとても面白かったのですが、こちらのホーム社版は、完訳なだけあって、描写も細かく、読み応えがものすごくあります。

最初は、ネアンデルタール人の一族の中に一人クロマニョン人のエイラがいて、全く違うためにとても異端視されています。
 
エイラは、今の我々に近い感じの思考や体格を持っているのですが、ネアンデルタール人の一族はあまり言葉を使わず、身振りや仕草で伝えあい、生まれ持っている蓄えられた知識を使って生活しているようなイメージです。
 
エイラにはそんな記憶はないため、薬師である育ての親から教えられる知識を必死に覚えていきます。
 




そして、ネアンデルタール人が知識を蓄えるならば、クロマニョン人は知識を使って新たな事を考えたり工夫によって様々なことを成し遂げていく。
 
のちにエイラは一族から離れ、同じ姿を持った人を探すのですが、色々なクロマニョン人と出会い旅するエイラの様子から、人類はこうして工夫して生活してきたんだな、と感じさせられます。
 
まるで見てきたような暮らしや狩りの様子、当時としては驚異的でもある動物を手なずけて一緒に暮らすエイラ、そして素晴らしく魅力的なつれあいのジョンダラー。

ジョンダラーの故郷を目指して旅を続け、この15巻では既に故郷に到着しています。

ここに書ききれない程のボリュームのある物語なのですが、幼いエイラが苦労して薬や狩りの知識を身につけ、一族から追われ一人で暮らすうちに動物と暮らすようになり、ジョンダラーと出会い、二人で旅をする。
 
様々な出来事があるのですが、ストーリーだけでなく、著者の研究の賜物と思われる、当時の人々の暮らしの様子などもとてもリアルで、眼に浮かぶように読んでいけるのです。

超大作ではありますが、しっかりと読んだ!という読後感を味わえます。
この巻で完結するらしいのですが、読んでしまうのがもったいない気持ちでいっぱいです。 


聖なる洞窟の地 (下) エイラ 地上の旅人 (16)




 最後までお読みいただきありがとうございました。   
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