こんにちは、スタッフのA・Sです。
今日は「ロック・オブ・モーゼス」花村萬月 著を紹介します。
朝倉桜は京都の私立校に通う高校二年生。
同級生の「モーゼ」こと百瀬は幼いころから天才ギタリストともてはやされ、今はプロで活躍中だ。学校に居場所を見出せない桜はいつのころからか目立たぬように行動するのが習い性になっていたが、モーゼの強い勧めでギターを始めることに。
すぐにギターの虜になった桜は高校を中退し、モーゼ率いるバンド「モーゼス」に加入。プロのミュージシャンになることを決意するが…。
熱情、誇り、挫折、成長―青春の全てがここにある。
心を掻き鳴らす、珠玉の青春音楽小説。
花村萬月(はなむらまんげつ)。
内容
朝倉桜は京都の私立校に通う高校二年生。
同級生の「モーゼ」こと百瀬は幼いころから天才ギタリストともてはやされ、今はプロで活躍中だ。学校に居場所を見出せない桜はいつのころからか目立たぬように行動するのが習い性になっていたが、モーゼの強い勧めでギターを始めることに。
すぐにギターの虜になった桜は高校を中退し、モーゼ率いるバンド「モーゼス」に加入。プロのミュージシャンになることを決意するが…。
熱情、誇り、挫折、成長―青春の全てがここにある。
心を掻き鳴らす、珠玉の青春音楽小説。
著者
花村萬月(はなむらまんげつ)。
東京都生まれ。
1989年に小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
1998年には吉川英治文学新人賞、芥川龍之介賞を相次いで受賞。
1998年には吉川英治文学新人賞、芥川龍之介賞を相次いで受賞。
2009年、花園大学の客員教授に就任。
感想・書評
ギターを抱いた、こちらを見つめる少女。
表紙に惹かれて、この本を読んでみようと思ったのですが、2週間放置してしまっていました。
表紙に惹かれて、この本を読んでみようと思ったのですが、2週間放置してしまっていました。
読みごたえありそうで、まとまった時間に一気に読みたいと思っていたら、なかなか時間が取れなかったのです。
2週間目の金曜の夜、友達から「いま読んでいるのは、芥川賞作家・花村萬月のロック・オブ・モーゼスです!タイトル通りロック小説!」というメールが来て、ものすごく驚きました。
あまり読む本が被らない人なのもありますが、芥川賞作家だったのですね(無知ですみません)
あまり読む本が被らない人なのもありますが、芥川賞作家だったのですね(無知ですみません)
早速土曜日に時間が取れたので、念願の一気読みをしました!
というかですね、一気に読んでしまう作品ですね。勢いがあって、止められないです。
主人公の桜は、目立たないよう、いつもうつむいてびくびくして生きているような、そんな女子高生なのですが、同じクラスの(留年しているので一つ年上の)モーゼこと百瀬竜治との出会いから、劇的に人生が変わっていきます。
その変化はもたらされたものというより、もともと桜が持っていたものを解放されたようにも感じますが、モーゼと出会ってギターを弾いたことーギターにのめり込み、高校も辞め、いままでと全く違う世界に足を踏み入れます。
帯の言葉に、
《わたしはこのギターから全てを教わったー》
《いつも俯きながら生きてきた。音楽がわたしに光を与えてくれた》
《熱情、誇り、挫折、成長ー青春の全てがここにある。》
と、あるのですが、まさにその通りだと頷ける内容の、直感した通り読みごたえのある作品でした。
特に自分が少しギターを弾くこともあり、全くギターを弾けなかった桜がどんどんのめり込んで上達していく様子や、音楽を通して他人と触れ合うあたりは、なんとなく理解出来るものがあります。
もちろん、才能があるわけでもなく、なんとなく、なのですが、、、
『音楽はどんなに隠してもその時の自分が出てしまうし、また言葉以上に相手を理解したり、ぶつかったりもして、ただ音楽が流れるだけではない何かが存在する』といつも想うのですが、この本はそれをとてもよくあらわしてくれている、ここまでプロのミュージシャンのような思いは抱いていないけれど、おおざっぱにこんなイメージのことを、下手なりにも感じながら音楽をやっているのです。
音楽だけでなく、絵画や演技や小説や、表現と呼ばれるものは、常にその人の魂の現れがあり、誤魔化せないものなのかもしれません。
表現する方はもちろん、それを受け止める方の立場でも、そうなんじゃないか、といつも思っています。