これ、読んだ?

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『会長 島耕作6(講談社)』弘兼憲史 著 VOL.64

こんにちは、スタッフのA・Sです。
今日は「会長 島耕作6(講談社)」弘兼憲史 著 を紹介します。


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内容紹介(あらすじ)

地下の帝王・曽烈生が仕掛けたトラップに対し、島が打った手は?


次いで島は食料をテーマにした万博の視察へミラノに降り立つ。そこで何度も赤いドレスの女から熱視線を向けられる。“島耕作様 もし 時間がとれるなら明日の夜 ベネチアのサンマルコ広場で会いませんか?”自分の名前を知る女からのメッセージ。危険を感じるもミステリアスな仕掛けに惹かれ…?



著者紹介

弘兼 憲史(ひろかね けんし)


1947年生まれの漫画家。徳山大学客員教授。
松下電器産業(現・パナソニック)勤務を経て、1974年『ビッグコミック』(小学館)掲載の「風薫る」にてデビュー。

代表作は『課長島耕作』シリーズほか、『人間交差点』『黄昏流星群』など。サラリーマンとしての経歴を生かし、現代社会に生きる様々な大人達の生活や、葛藤をテーマとした作品を描いている。



感想・書評

日本で一番有名なサラリーマン、と言われた島耕作が、とうとう会長までのぼりつめました。
(他に有名なのは、サラリーマン金太郎とか、半沢直樹とか?実はそちらは読んでないのですが)

 
課長時代から御存知の方には、感慨深いものがあるのではないでしょうか?
現場の仕事に一生懸命だった島耕作も、会長ともなると視野が広くなり、国益や日本経済を常に考えての仕事となっています。


ところで、島耕作シリーズを読むのに、困るのが順番です!課長の後は部長、と出世していくのですが、その後は?えらくややこしいので調べてみました。発売された順番でいくと・・・
 

課長島耕作→部長→取締役→常務→専務→社長→会長→ヤング→係長→係長 主任編→学生
 

となります。この、常務とか専務がよくわからなかったのが、読んでみるとわかるようになりました。
ちなみに人生の流れで言うと・・・


学生 島耕作→ヤング→係長→係長 主任編→課長→部長→取締役→常務→専務→社長→会長


となります。すごい出世ですよね。


会長島耕作では、会社経営はほぼ社長に任せて、経済界での活動がメインになっているのですが、会社ではトップの島耕作も、財界ではまだまだヒヨッコ扱いだったり、相変わらず派閥に属さず、自分の判断で動くのですが、さすがにただのサラリーマンから会長にまで出世した男なので、切れ者な場面が多くあり、読んでいて気持ちいいほどです。


政治的な場面や財界の動きなど、現代の日本の様子とリンクしながら描かれてもいるので、これからの日本について考えるいい材料にもなります。


会長 島耕作(6) (モーニングコミックス)


 

会長島耕作からは少し離れますが、過去の作品を読み返すのもとても面白いです!
むしろ年月が過ぎたいま、読み返すのが一番面白いかもしれません。いままでの時代を思い返しながら読むことが出来ます。

 
島耕作は団塊の世代なので、天下の大企業ハツシバが大量に正社員を雇った時に入社しています。
昔の会社って、こうだったんだなーと思う部分、セクハラと日常だったよなあ!とかパソコン無かった!とか、仕事のちょっとしたことも今から見ると隔世の感ですね。


そして会長になってもまだなおモテモテの島耕作。なぜモテるのか?
本当に恋人にしたり結婚するのは多分大変そうですが、島耕作は優しいし頭の回転もいい。でも女性に対して決して積極的ではなく、むしろ女性が島耕作を好きになってしまうことの方がほとんどなのですが、島耕作は仕事人間で、恋愛を人生の一番には出来ない。

 
そういう不器用さと、女性に積極的ではない部分が、ある種の女性をひきつけるのかもしれませんね。
実際、普通じゃない女性ばかりが周りに集まってきますからね!
出世と女性も含めた島耕作の人生、長いシリーズの中では左遷されたりもしていて、人生模様がよくかかれた、なかなか読み応えのある作品です。 


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。   

『そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)』アガサ・クリスティー 著 VOL.63

こんにちは、スタッフのK・Sです。
今日は『そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)』アガサ・クリスティー 著 を紹介します。



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内容紹介(あらすじ)

さまざまな職業、年齢、経歴の十人がU・N・オーエンと名乗る富豪からインディアン島に招待された。


しかし、肝心の招待主は姿を見せず、客たちが立派な食卓についたとき、どこからともなく客たちの過去の犯罪を告発してゆく声が響いてきた。そして童謡のとおりに、一人また一人と…ミステリの女王の最高傑作。



著者紹介

アガサ・クリスティー。


1890年、イギリスのデヴォン州トーキーに生まれの推理作家。

発表された推理小説の多くは世界的なベストセラーとなり「ミステリーの女王」と呼ばれた。英国推理作家のクラブであるディテクションクラブの第4代会長。メアリ・ウェストマコット (Mary Westmacott) 名義の小説が6作品ある。代表作品は『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』など多数。



感想・書評


推理小説を読まない人でも、タイトルを一度は聞いたことがあると思います、『そして誰もいなくなった』。
アガサ・クリスティーの代表的な作品のひとつです。


作品では、孤島に招待された人がひとりずつ殺されていくなかで、誰が犯人なのか、誰を信じていいのか、わからなくなってきます。招待主の「U・N・オーエン」とは誰なのか、インディアン少年の歌の暗示とは何なのか。


海の孤島、繰り返される殺人、正体不明の「U・N・オーエン」・・・。
これだけでも読んでみたくなる、それがアガサ・クリスティーの小説です。


そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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犯人は誰なのかわからず、小説を3回読み返してみましたがもわかりませんでした。
ページをめくり犯人を知ったときは、「まさか、あの人が犯人とは・・・」


これぞ推理小説、これぞアガサ・クリスティー。
読んでよかった、犯人がわかってよかったと満足度の高いミステリー小説です。


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。   

『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!~コンビニLOVEセレクション~ (講談社プラチナコミックス)』清野 とおる 著 VOL.62

こんにちは、スタッフのK・Sです。
今日は『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!~コンビニLOVEセレクション~ (講談社プラチナコミックス)』清野 とおる 著 を紹介します。


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内容紹介(あらすじ)

LOVE コンビニ!


マネすれば即シアワセになれる 「おこだわり」。今回、テレビ化 を記念して、コンビニがあればすぐに試せる「ファストおこだわり」 を集めてみました。マンガ読む⇒商品買う⇒昇天する⇒愉快! 痛快!奇々怪々な「おこだわり」 の世界をぜひお試しください!



著者紹介

清野 とおる(せいの とおる)

1980年生まれの日本の漫画家。エッセイスト。

 
高校在学中に『ヤングマガジン増刊赤BUTA』に掲載された『アニキの季節』で1998年にデビューの後、『週刊ヤングジャンプ』にて『青春ヒヒヒ』『ハラハラドキドキ』を連載。単行本化されるも絶版に。

 
その後、短編やイラストを雑誌に寄稿しながら、ブログで身辺雑記を綴り話題になる。
2008年、ブログがBbmfマガジンの編集者の目に留まり、携帯サイト『ケータイまんが王国』にて『東京都北区赤羽』を連載して各種メディアで注目を集める。『漫画アクション』(双葉社)誌上で続編となる『ウヒョッ! 東京都北区赤羽』を連載中。



感想・書評
 

誰しも「こだわり」は持っていると思います。
うどんには〇〇をかけたり、カレーライスには必ず△△をつけるなど・・・。


作者は、別にこだわらなくてもいい事に敢えてこだわり、そこに自分だけの幸せをコソコソと楽むことを『おこだわり』とよんでいます。作品のなかでは、こんな『おこだわり』を描かれています。


「ツナ缶」の『おこだわり』
「ポテトサラダ」の『おこだわり』
「薄皮パン」の『おこだわり』
「フランクフルト」の『おこだわり』
「コンソメパンチ」の『おこだわり』
「梅」の『おこだわり』


わかるわかる!とうなずく『おこだわり』があれば、
それってどうなの?と首をかしげてしまう『おこだわり』もあります。


マンションのベランダでご飯を食べたり、寝てしまう『おこだわり』には・・・



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ちなみに、私の『おこだわり』はコーヒーにはミルクでもなくコーヒーフレッシュでもなく、そのまま飲むわけでなく、豆乳をいれて飲むことです。美味しいうえに栄養もとれますよ~。


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。  

『伊賀の影丸 (1) (秋田文庫)』横山光輝 著 VOL.61

こんにちは、スタッフのK・Sです。
今日は『伊賀の影丸 (1) (秋田文庫)』横山光輝 著 を紹介します。


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内容紹介(あらすじ)

伊賀の影丸 (1)影丸の活躍、しかと見よ。

◆なぞの忍者
◆ちぎれた巻き物
◆首領寒月斎
◆大坂への使者
◆たおされた影丸
◆影丸の挑戦
◆忍法木の葉火輪
◆逃げ水
◆霧丸と大三郎
◆援軍
◆梟の甚内
◆仮死の術
◆挑戦状
◆催眠術
◆暗殺帳の秘密



著者紹介

横山光輝(よこやまみつてる)


1934年生まれの日本の漫画家。
 
 
代表作に『鉄人28号』、『伊賀の影丸』、『仮面の忍者 赤影』、『魔法使いサリー』、『コメットさん』、『バビル2世』、『三国志』等多数。長年にわたり幅広いジャンルで活躍し、手塚治虫、石ノ森章太郎などと並び称された漫画界の巨匠の一人である。



感想・書評

『伊賀の影丸』を描かれたのは横山光輝さんですが、ご存じでしょうか。
『鉄人28号』『三国志』の著者、といえばわかるかもしれませんね。


この『伊賀の影丸』は伊賀の忍者「影丸」が悪者忍者を必殺技『忍法 木の葉火輪』でやっつける漫画です。
悪者忍者にはいろいろいますが、最大のライバルは不死身の邪鬼(じゃき)です。
剣で倒しても、火で倒しても、何時間後には生き返るゾンビ?みたいな忍者です。


子どもの時に「伊賀の影丸」を読みましたが、影丸ってかっこいいなぁ、忍者ってクールだなぁと思ってましたが、大人になって改めて読み返しても、かっこいいなぁ、とつくづく思いました。

忍法 木の葉火輪!
逃げ水!
梟の甚内!


純粋に憧れます。


伊賀の影丸 (1) (秋田文庫)

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忍者シリーズには他には『仮面の忍者 赤影』という作品がありますが、これも楽しいですね。


『伊賀の影丸』を昔に読んだことのある大人だけでなく、現代の子どもにも読んでほしい一冊です。
忍者(NINJA)に興味をもつ外国人が読んだら、どんな反応なのかなぁ。


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。   

『三匹のおっさん(文春文庫)』有川浩 著 VOL.60

こんにちは、スタッフのA・Sです。
今日は「三匹のおっさん(文春文庫)」有川浩 著 を紹介します。



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内容紹介

還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。


剣道の達人・キヨ
柔道の達人・シゲ
機械いじりの達人の頭脳派・ノリ


ご近所に潜む悪を三匹が斬る!その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与え…。
痛快活劇シリーズ始動。



著者紹介
 
有川浩。 

 
高知県出身。2003年、『塩の街』で第10回電撃小説大賞“大賞”を受賞。受賞作に続き『空の中』『海の底』などの話題作を次々と発表、『図書館戦争』は「本の雑誌」2006年上半期ベスト1に選ばれました。



感想・書評

ちょっと久しぶりに、有川浩さんの本を読みました。
どの本を読んだ時も、止まらなくなってしまうのですが、今回もまた、ぐいぐいとひきつけられて、あっという間に読んでしまいました!


主人公は、なんと還暦を迎えた『三匹のおっさん』です。
剣道の達人・キヨ
柔道の達人・シゲ
機械いじりの達人・ノリ


この三人が、こっそりと自警団を結成し、町内に起こる事件を解決していきます。
そこにキヨの孫・祐希やノリの娘・早苗も関わり、若い世代から年配の世代までの様々な視点からも、物事が進んでいきます。


キヨは仕事のかたわら、自宅の道場で剣道教室の師範を務めていたのですが、還暦を迎え仕事を退職し、同時に道場も生徒がいなくなり、閉鎖することになってしまいます。

 
孫の祐希は生意気でキヨを「ジジイ」よばわり。チャラチャラした格好で、会話にもならないありさま。
息子夫婦は退職祝いの席で、早速道場を潰してはどうか、と自分たちの勝手な都合を押し付けようとします。
我慢ならなくなったキヨは、柔道家・シゲの息子が営む居酒屋へ行き、ノリも呼び出しクダを巻き・・・



三匹のおっさん (文春文庫)

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翌日、シゲはキヨに『三匹のおっさん』どもで、私設ボランティアでもやってみねぇか、と持ちかけます。
武闘派二人、頭脳派一人の私設自警団の誕生です。
ケチな暇つぶし、と言っていますが、なかなかどうして、ものすごい活躍を見せます!


三人ともが、それぞれにとても格好いいのです。 
キヨもシゲも、とにかく強い。そして想像の斜め上をいくのが、頭脳派ノリ。

 
作戦も対外交渉も上手すぎるのですが、機械いじりの腕を生かした違法スレスレの武器の数々。いや、作戦も違法スレスレな気が・・・祐希いわく「危ないチビ」のおっさん。

 
しかし、祐希のアドバイスでオシャレになるキヨを羨ましがり、娘の早苗に服を買って欲しいと言ったり、祐希と仲良くなる早苗に拗ねまくったり。


シゲはシゲで、素直に物が言えなくて、奥さんの帰りが遅くなるとつい悪態をついてしまう。でもやっぱり奥さんを大事に想ってる。


キヨも、奥さんの尻に完全に敷かれていますが、実は強くて頼りがいのある「おっさん」です。
定年後に、嘱託で働き出した先に、孫の祐希がバイトしていて、なんやかやだんだん距離が近づいていくのもなごみます。


そして祐希と早苗の初々しい関係もとてもいいです。あっさり距離を縮めたり出来ずに、少しずつ少しずつ近づいていく様子が、とても丁寧に描かれています。


有川浩さんの良さは、この登場人物の心情を丁寧に表現できるところにもあるなあ、と心暖まる思いで一冊読みきりました。続編ももちろん読みます!


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。   
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