こんにちは、スタッフのA・Sです。
内容
黄昏の国の女王である大鴉のザザとノスフェラスの狼王ウーラに導かれ、スカールとスーティは黄昏の道をゆく旅人となった。リー・ファの幻影に心魅かれつつもたどり着いたのは、魔都フェラーラ。
キタイの首都だったこの都市には、異形の女王リリト・デアが治めるアウラ・シャーの神殿がある。
しかし、今やかつての繁栄はなく街はさびれ、住民はキタイ兵の侵略に恐れおののくばかり。見かねたスカールは助力に乗り出すのだが・・・
著者
五代ゆう。
1970年奈良県生まれ。1991年に『はじまりの骨の物語』で第4回ファンタジア長編小説大賞を受賞しデビュー。
書評
まず、このグイン・サーガというシリーズは、元は栗本薫という作家のシリーズでした。
栗本薫さんは、残念ながらこのシリーズを完結される前に亡くなられてしまい、それはご本人にとっても、また私を含むたくさんの読者にとっても、残念なことではありましたが、現在は五代ゆうさん、そして宵野ゆめさんがお二人で書き継いでいらっしゃる状態です。
最初はご本人じゃない方が書かれる、ということでどうなるのかな?
と思っていましたが、お二人とも熱心な読者でもあったのでしょう。
面白さはそのまま、いまでも変わらず新刊が待ち遠しいシリーズのまま、つながっていて本当にありがたいです!
と思っていましたが、お二人とも熱心な読者でもあったのでしょう。
面白さはそのまま、いまでも変わらず新刊が待ち遠しいシリーズのまま、つながっていて本当にありがたいです!
さて、物語自体をざっとご紹介しますと、現代この世界とは違う世界を舞台にしたお話です。
その世界に豹頭の戦士グイン。
彼が現われたことから物語が始まります。
彼が現われたことから物語が始まります。
グインが突然、どこからか現われ、そこにパロのふた粒の真珠と呼ばれていたリンダとレムス、ふたりは双子の王女と王子なのですが、国を攻められ逃亡中で、追い詰められていたところにグインと出会い、結果的に助けられます。
そのあと、「紅の傭兵」イシュトヴァーンが加わり、この4人が主要人物と思われるのですが、他にも大勢の魅力的なキャラクターが登場します。
現実の世界でも、一人一人に小さくても大きくても、色々な物語があるように、このグインサーガの中でも、たくさんの「それぞれの物語」があり、複雑に人生が絡み合い、関わり合い、そしてその中でみな懸命に生きています。
もちろん、どうしようもない悪役もいるのですが、悪いことをしている人間すら、何かしら理由がありそのように生きていて(もちろん、だからいいというのではないのですが)
それをしっかり書いている、ように読み取っています。
今は他の方が書き継いでいるわけですが、違和感なくこの世界に入れるのも、この登場人物ならこう言うな、というような人物像がしっかりあり、それを外していないせいかもしれません。
この五代ゆうさんの巻は、スカール、ヴァレリウスといったやはり重要なキャラクターが出てきますが、そのセリフにも違和感はありません。それは、かなり凄いことなのではないでしょうか。
これだけ長く続いてもなお、たくさんの読者が続きを待ち、受け入れられている物語です。